テレビのコマーシャル、スーパーのレジ付近などでキシリトールガムやキシリトールタブレットを目にすることも多くなってきました。また、歯磨き粉にもキシリトールが配合されていたり、「歯に良い」イメージのキシリトール。では、一体どのように歯に良いのか?どんな商品を選べば良いのか?どのようなタイミングで食べると良いか、などについて詳しくご紹介していきます。

キシリトールとは

 キシリトールとは砂糖に代わる甘味料の一つです。果物や野菜に含まれていることもある天然の甘味料で、厚生省でも「安全な食品添加物」として認可されています。キシリトールは、砂糖と違って口の中で酸を作り出さないため、虫歯の原因になりません!また、それだけではなく、虫歯の発生を防いでくれることが大きな特徴です。フィンランドは世界一虫歯の少ない国として知られていますが、国民がキシリトールガムやタブレットをよく食べていることもその理由の一つと考えられています。

キシリトールの5つの効果

1.虫歯の原因である酸を作り出さない

 砂糖のように酸を産生しないため、虫歯の原因になることがありません。

2.唾液を増やして口の中を洗い流す

 キシリトールガムを噛むことで唾液が増え、口の中の細菌を洗い流してくれます。

3.虫歯菌が増えるのを防ぐ

 虫歯の原因菌であるミュータンス菌を弱らせ、増殖させにくくします。

4.歯垢が付きにくくなる

 唾液が増えることと、虫歯菌が増えるのを防ぐ効果のため、細菌のかたまりである歯垢が付きにくくなります。

5.歯の再石灰化を促す

 唾液が増えるため、歯が虫歯になりかけても、唾液中の成分で虫歯を修復する「再石灰化作用」が促進されます。

キシリトール製品の選び方

 キシリトール製品でよく見られるのはほとんどがガムやタブレット(錠)です。他のお菓子などに入っていることはほとんどありません。これはなぜかというと、キシリトールは口の中に長時間とどまればとどまるほど効果を発揮し、すぐ飲み込んでしまうような食べ物に入っていてもそれほど虫歯予防効果が期待できないためです。

 ガムであればよく噛むことにより唾液がよく分泌され、口内の洗浄効果、歯の再石灰化効果もより得られます。しかし、ガムを食べるのが難しい小さなお子さんや、顎関節症などで顎に負担があまりかけられない人にはタブレットが適しています。

 いろいろなメーカーからキシリトール製品が出ていますが、できるだけキシリトールの配合量の高いものがおすすめです。少なすぎると効果期待できなくがなくなりますので少なくとも50%以上のものを選びましょう。

キリトールの効果的な使い方

 キシリトールは食べてすぐに効果が現れるわけではなく、長期間使用して初めて虫歯予防効果が発揮されます。少なくとも2週間以上摂り続けて徐々に効果が出てくると言われています。虫歯予防効果を期待したい人は、1日3回を目安に食後に摂るようにするのが良いでしょう。ただし、あまり食べすぎるとお腹がゆるくなるので注意が必要です。

 また、妊娠中の人は、出産前からキシリトールを摂り続けることによってお口の中の状態を改善することができ、生まれてきた赤ちゃんに虫歯菌を移すリスクを大幅に下げることができます。

まとめ

 ご紹介したように、キシリトールをうまく活用することによって虫歯予防効果を高めることができます。しかし、キシリトールさえ摂っていれば歯磨きをしなくても虫歯にならない、というわけではありません。普段のお口のケアをしっかりとし、定期的な歯科医院での検診やクリーニングなどを受けることが虫歯予防にとって一番大事なことです。キシリトールはあくまでも「補助的なもの」として普段の生活に取り入れていくようにしましょう。