【むし歯って何かご存知ですか?】 |
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むし歯って何かご存知ですか? と、質問するとほとんどの方が首を傾げながら「なんとなくなら」と答えます。なんとなくというのは、『甘いものを食べるとむし歯になる』とか『歯を磨かないとむし歯になる』といった ニュアンスでなんとなく知っているという答えが返ってきているのだと思います。 では、この[むし歯になる]の『むし歯』とは何か!をお話ししていきましょう。 むし歯(正確には齲蝕)とは、お口の中の細菌特にミュータンス菌の作り出す酸によって、歯(歯質)が脱灰することによって起きる病気です。 では、この歯が脱灰するとはどういうことか説明いたします。 原因菌である細菌(ミュータンス菌)は、まず歯に付着して歯(プラーク)を作り、食べ物に含まれる糖質を使って酸を作ります。この酸が、エナメル質の内部から歯の成分であるカルシウムやリンを溶かし始めます。(これを「脱灰(だっかい)」といいます) 歯は、酸性度を表すPHが5.5以下になると脱灰し始めるといわれています。食事をすると食事に含まれる糖分(主にスクロースという糖分)からミュータンス菌が酸を作り出します。その酸によって、お口の中が一気に酸性になっていきます。時間にすると2〜 3分と言われています。この時間を過ぎてくると、脱灰が始まっていくと言われています。 しかし!人間には優れた能力があり、唾液の緩衝能という力ではを『再石灰化』するのです。 これは、一度脱灰して失われてしまったリンやカルシウムをもう一度戻す力です。むし歯になり難い人というのは、この緩衝能という力が強いのです! これだけを聞いていると、緩衝能があるんだからむし歯にならないではないか!と思ってしましますよね?そんなに甘くないんです。 では、どのような人がむし歯になる、もしくはなりやすいかを説明していきましょう。 |
1番は何と言っても間食!やはり虫歯は糖分が原因です。歯の脱灰は20分〜30分続くと言われていて、その後、30分〜40分かけて再石灰化を行っていきます。ちょこちょこ間食をすると、再石灰化を行っている間にお口の中が酸性になってしまします。 右のグラフに示すように、間食が多いとph5.5以下の歯が脱灰している時間が、再石灰化している時間より長くなり、再石灰化することのないう蝕(むし歯)の状態になってしまいます。 |
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2番目に唾液の緩衝能の低い人。一度酸性に傾いたお口の中の環境をなかなか元に戻せないため、再石灰化が始まるまでに時間がかかってしまいます。やっと戻ってもすぐ次の食事が来てしまうため、再石灰化しきる前にまた酸性になってしまいます。 このようになかなか戻らないために、ph5.5以下の酸性環境にいる時間が長くなってしまいます。 |
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この二つに示すように、脱灰と再石灰化のバランスによってむし歯は発生します。できる限りph5.5以上の中性に近い状態を保つようにすることが一番のむし歯予防になります。 むし歯予防のポイントをまとめましょう! 1、やはり何と言っても歯磨き!ミュータンス菌のエサとなるプラークをしっかり除去することで、ミュータンス菌の繁殖を防ぎ、酸性環境にいる時間を短くします。 2、定期的な食事を心がける。ちょこちょことる食事や、ダラダラ食べる食事を避け、時間を決めて食事をとることで、やはり酸性環境の時間が短くなり、しっかり再石灰化も行われます。 3、柔らかいものだけを食べずに、しっかりと咀嚼するような食材を食べるように心がける。そうすることで唾液の分泌量が増え、お口の中の自浄作用(唾液によりお口の中を洗い流す作用)が良くなる。唾液が多くなるため、唾液の緩衝能や再石灰化も行われやすくなる。 4、不適合な詰め物や、被せ物といった修復物を適合の良いものに治す。不適合な修復物があると、不適合部位にプラークが溜まりやすかったり、細菌も溜まりやすい状態を自ら作っているようなものです。適合の良い修復物に変えることで、プラークも細菌も溜まりにくくなり、清掃性も良くなります。 5、最後は、かかりつけの歯科医院を作り、定期的なメインテナンスを行いましょう。日々のご自身でのケア(パーソナルケア)も大事ですが、やはりご自身では難しい部分もあります。そこは、歯科医院で専門の機械などを使い綺麗にしていきます(プロフェッショナルケア)。この。パーソナルケアとプロフェッショナルケア2つの歯車が噛み合うことで、しっかりとした予防につながっていきます。 この5つのポイントをしっかりと気をつけていき、むし歯を作らず、いつまでも健康な歯を維持していきましょう! むし歯について少しはわかっていただけたでしょうか? |
【当院の治療】 |
無痛治療・痛みの少ない治療 |
当院では無痛治療、痛みの少ない治療を行っています。 治療中は麻酔が効いているので、痛みはありません。しかし、その麻酔注射自体が痛いという場合も多くあります。 麻酔液の注射スピードや麻酔液の温度など、痛みの原因は様々です。当院では麻酔注射時の痛みを小さくするため、以下のような工夫をしています。 |
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表面麻酔を行っている | |
注射の前に皮膚に塗るタイプの麻酔を行っています。 |
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麻酔液の温度管理に気を配っている | |
麻酔液を最適な温度に保ち、痛くならないよう気をつけています。 |
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電動式の麻酔注射器を使用している | |
電動式の麻酔注射器によって麻酔液の注射スピードを一定に保ち、痛みを感じにくくしています。細い針を使用している点も、痛みを少なくする重要なポイントです。 |
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なるべく削らない治療を行う |
当院では、MI(ミニマル・インターベーション)治療というものを実践しています。 これは、歯を削る量を可能な限り少なくし、今ある歯を大切にするという考えのもとで行われる治療こと。 タービン(歯を削る機器)の先に、どのくらい歯が削れているか見やすい作りになっているMI用のバーをとりつけて治療を行います。その結果、削る部分が必要最小限で済みます。 歯は、削れば削るほど脆くなるもの。 少しでも多くの歯質を残し、歯質をなるべく傷つけずに治療して、患者さまの歯を長持ちさせたいと考えています。 当院では、患者さまの歯を長持ちさせるためにも、「悪いところ以外はなるべく削らない」治療を基本としています。 |
【あなたはどの段階?】虫歯の進行とその治療方法とは? |
CO(Caries Observationシーオー:初期虫歯) | |
CO(Caries Observationシーオー:初期虫歯) 黒くなったり、穴があいている状態ではありませんが、歯表面が溶け始めている初期段階です。この状態であれば、削らない治療が可能です。 フッ素入りの歯磨き粉を用いて歯みがきをしっかりおこなえば、溶けてしまった表面をある程度再石灰化させることができます。 |
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C1(エナメル質う触) | |
歯の表面を覆っているエナメル質が溶けてしまい小さな穴ができた状態です。象牙質まで達していないので痛みはありません。 この段階の治療は、虫歯の部分を必要最小限削り、保険適用内の白い詰め物をすることで完了します。 |
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C2(象牙質う触) | |
エナメル質が溶けきってしまい、さらに下層の象牙質まで虫歯が進んでいる状態です。象牙質がむき出しになっている個所があるので、冷たいものや甘いものがしみることがあります。 痛みを感じるため、治療の際にも麻酔が必要になります。 |
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C3(神経まで達したう触) | |
虫歯がエナメル質、象牙質の下の神経まで達している状態です。C3レベルの治療には、神経の治療が必要となります。 麻酔をして、傷ついた・死んでしまった神経や膿を取り除き、歯の根の中をきれいにしてから被せ物をします。 |
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C4(残根状態) | |
歯のほとんどがなくなってしまい、根だけが残っている状態です。治療可能な歯質が残っていれば、C3のケースと同じように根管治療を行ってから、被せ物をします。 症状によっては抜歯しなければならないことがあります。 |
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歯の神経の治療「根管治療」とは |
歯髄(歯の神経)まで達した重度の虫歯でも、歯を抜かずに治療できる方法がありま す。それが、「根管治療」です。 根管治療は、神経や血管が入っている根管という細い管から虫歯に冒された部分を すべて取り除き、内部を洗浄・消毒して薬剤を詰めることで残された歯の機能を回復 させる治療です。 る歯根を残すことができれば、お口の健康や正しい歯並びの維持につながります。 根管治療は最後までしっかり終わらせましょう。 根管治療は重度の虫歯を改善する高度な処置であるため、一般的な歯科治療に比 べて治療期間は長くなります。そのため、残念ながら患者様の自己判断で治療を中 断されるケースも珍しくありません。 危険です。治まった痛みが再発・悪化するケースも多いので、治療は最後までしっか り終わらせましょう。 実際、虫歯に冒された部分を除去して根管内部を洗浄・消毒した後、人工歯をつくる まで仮歯を装着するのですが、仮歯を入れると噛む機能や見た目が回復することか ら、このタイミングで来院されなくなってしまう方が多いようです。 は再び虫歯になってしまう可能性が高まります。 治療の成功率も低くなってしまいます。 治療を中断してしまうと、せっかく残せる可能性があった歯を失うことにつながりか ねません。 |
【ダイアグノデント】レーザーによる虫歯診断 |
ダイアグノデントと呼ばれるレーザー機器を用いて、患者さんの口内に安全なレーザー光線を当て、歯の状態を撮影させていただきます。レーザーにより、目では確認できないほどの初期虫歯を発見でき、予防することが可能です。 初期虫歯の場合、削らなくてもフッ素塗布などで再生させられるケースが多いため、ぜひ定期健診にお越しいただければと思います。 |
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